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国際学部

学生の卒業論文?卒業制作(学長賞)

国際学部学生の卒業論文?卒業制作(学長賞)

優秀な論文と作品を表彰する「学長賞」。国際学部 国際学科からは金子 莉音さんが選出されました。

2025年度受賞論文

公共空間における注意喚起のことばの配慮と強制の相互作用

国際学部 国際学科 コミュニケーションコース

金子 莉音さん

金子 莉音さんのコメント

私がこのテーマを選んだ理由は、旅行中に見つけた注意喚起表現がきっかけでした。対面とは異なる一方的な依頼のあり方に興味を持ちました。

論文の作成にあたり、270件の表現を分類?分析し、常に比較の視点を整理しながら論文の修正を重ねた点に苦労しました。

また、泣いているイラストによる自発的協力の促しや、「トイレットペーパー販売中」といった婉曲かつ皮肉的な表現に、日本の特徴を感じるとともに、それらは時に直接的な表現よりも強い影響力を持つと感じました。

この経験で得た視点を活かし、相手に配慮した伝え方を心がけていきたいと考えています。ご指導いただいた先生や周囲への感謝を忘れず、今後のお仕事に活かしていきたいです。

論文要旨

本研究は、公共空間に掲示される日本語の注意喚起表現を対象とし、それらがどのように配慮と強制のバランスを調整しながら受け手の行動を導いているのかを明らかにすることを目的とした。注意喚起は、禁止や依頼といった一方的な行為に見えやすいが、実際には受け手に不快感や過度な心理的負担を与えず、適切な行動を促すための工夫が組み込まれていると考えられる。
本研究では、駅構内、エスカレーター、公園、商業施設、トイレなどの公共空間から収集した注意喚起表現270件を対象に、内容、掲示場所、対象者、視覚要素の4つの観点から分析を行った。その結果、注意喚起の表現形式は内容の目的に応じて調整されており、行動抑制や危険回避を目的とする場合には直接的で心理的負担の大きい表現が選択されやすい一方、案内や行動誘導を目的とする場合には丁寧で間接的な表現が多く用いられる傾向が確認された。
また、直接性の高低は内容だけでなく、移動空間か滞在空間かといった掲示環境の特性とも強く関連しており、即時の理解が求められる場面では簡潔で直接的な表現が、滞在を前提とする場面では理由説明を含む配慮的な表現が多く用いられていた。
さらに、対象者の違いによっても表現は調整されており、子どもや高齢者を対象とする注意喚起では、丁寧さが高く心理的負担を抑えた表現が選択される傾向がみられた。加えて、イラスト、配色、文字や図のサイズといった視覚要素は、内容や危険度、対象者に応じて体系的に使い分けられており、言語表現を補完しながら注意の喚起や理解の促進に寄与していた。
以上の結果から、注意喚起表現は、①内容の目的、②掲示環境、③対象者、④視覚要素という複数の要因が相互に作用することで、その場に最適な伝達様式が選択される調整的な表現であることが明らかとなった。
本研究は、注意喚起表現を単なる情報提示としてではなく、公共空間における安全確保と円滑な行動を支えるコミュニケーションの一形態として捉え直す視点を示すものである。

指導教員

推薦理由

本論文は、公共空間における注意喚起表現を「配慮」と「強制」の相互作用という視点から捉え直した意欲的かつ独創的な研究である。禁止や依頼を単なる一方向的な働きかけとしてではなく、受け手の心理的負担や場面特性に応じて調整されるコミュニケーションとして丁寧に読み解いた着眼点は、特に評価できる。
また、著者本人が時間をかけて公共空間を巡り、データを一つ一つ写真に収めながら着実に収集してきた姿勢は誠実であり、研究への真摯な取り組みがうかがえる。分析方法についてもじっくり試行錯誤を重ねながら独自の枠組みを模索し、丁寧に積み上げてきた努力が感じられる。その地道で粘り強い研究姿勢は高く評価されるものであり、いわば努力賞に値する論文と言える。
本研究は、公共空間の安全と円滑な行動形成を支える言語実践の在り方を明らかにした点で、社会的?学術的意義も大きい。以上の理由から、本論文を推薦する。

(2026年3月掲載)