建築?デザイン学部 建築?デザイン学科学生の卒業論文?卒業制作(学長賞)
優秀な論文と作品を表彰する「学長賞」。家政学部 建築?デザイン学科からは遠藤 晴香さんが選出されました。
※所属学部?学科は受賞当時。家政学部 建築?デザイン学科は2023年4月より建築?デザイン学部 建築?デザイン学科に移行しました。
2025年度受賞制作
地形に還る ― 人と文化が集うまちの段床
家政学部 建築?デザイン学科 建築コース
遠藤 晴香さん
遠藤 晴香さんのコメント
大学4年間の学びを通じ、「自然環境から受け取る建築のあり方」に強い関心を持ちました。今回の卒業制作では、建物ではなく、そこにある「地形」を主役とした自然との共生をテーマに掲げ、地形から着想を得た独自の建築表現を追求しました。
イメージを具体的な形に落とし込むため、膨大な数の模型スタディーを重ねる過程に最も苦心しました。行き詰まる時期もありましたが、先生や友人からの客観的な意見を取り入れることで、自分では気づけなかった作品の魅力に気づき、よりポジティブに作品を昇華させることができました。
卒業後はリフォームの営業職に進みます。研究を通して「いかに素晴らしい提案も、相手に伝わらなければ形にならない」というプレゼンの重要性を痛感しました。大学で培った伝える技術を武器に、お客様の大切な住まいに対し、心から信頼していただけるプレゼンテーションを実践していきたいと考えています。
作品要旨
本作品は、千葉県佐倉市における公共図書館の移転計画にとどまらず、多様な主体が交差する空間として再構成することにより、福祉?教育?観光といった異なる機能が有機的に混じり合う場を創出したものである。
日本の地方都市においては、駅に近接するこのような場所はしばしば再開発の対象となり、風景や地形が開発に都合よく改変されてしまう。本計画では、谷戸(やと)と呼ばれる特有の地形を活かしつつ段床を創出することで、長い時間をかけて形成されてきた環境と文化を、さらに魅力あるものへと昇華させることを試みている。
指導教員
髙橋 大輔 教授
推薦理由
遠藤さんの作品は敷地の地形を深く考察し、斜面の勾配に沿って床を重ねる構成により、地形と建築を鮮やかに融合させた公共空間の提案です。図書館を核にデイサービスや交流の場を重層的に配置し、全館をスロープで結ぶことで高い回遊性と多世代共生を実現しました。地域の歴史を読み解き、建築を「地形の一部」として再定義したその設計力は、極めて高い次元にあります。
また彼女の設計能力は、学外からも極めて高く評価されています。別の設計課題においても、関東圏の精鋭が集う「住宅課題賞2025」にて全4名の審査員のうち3名から同時に賞を授与されるという、前例のない圧倒的な評価を得ています。学外の専門家からもその才能が証明されている彼女は、学長賞に最も相応しい逸材です。
入学以来一貫して学業に励み、首席という確固たる成績を収めた誠実な姿勢は、他の学生の模範となるものです。地道なリサーチに基づき、それを創造的な空間へと昇華させる彼女の姿勢は、本学科が目指す「社会に開かれたデザイン」を体現しています。学内?学外の両面で本学の名を高めた遠藤さんは、学長賞を授与するに最も相応しい逸材であり、確信を持って推薦いたします。
(2026年3月掲載)







