

Faculty of International Studies
更新日:2025年11月18日
授業紹介
【国際学部】ノット?フォー?セール?ジャパン(NFSJ)の代表である山岡万里子氏をお招きして、国際人権論の講義が行われました。
2025年10月30日にノット?フォー?セール?ジャパン(NFSJ)の代表である山岡万里子さんに国際人権論の講義にお運びいただき、「「人身取引」「現代奴隷」ってなんだろう?~被害者にも加害者にもならないために~」という論題でお話しいただきました。奴隷と聞くと、既に何百年も前に廃止されたと考える方も多いと思われますが、現実は異なります。今でも世界的に5千万人もの奴隷が存在するとのことです。
この原稿を書いておりましたら、タイの12歳の少女が来日し、性産業に従事していたという報道がありました。その背後にはブローカーが人身取引をしていたのではないかとのことです。このように日本においても様々な形での性的搾取が存在します。これは、暴力、脅迫、誘拐、詐欺などの手段を用いて、支配下に置かれたり、引き渡されたりして、売春や性的サービス、労働などを強要されるという、犯罪であり、重大な人権侵害を引き起こします。
今回のお話で、「楽に稼げる」という言葉であったり、疑似恋愛感情に基づいて貢がされたりするという実態があるということに気付いた学生が多くいました。この現代型の奴隷が、巨額の利益が発生するビジネスと直結していることから、山岡さんは、学生が「一人の消費者」としてエシカル消費を心がけることの大切さを説明してくださり、エシカル商品について、そして、現代型の搾取の被害に遭っている人の相談窓口などについて、数々の情報を共有してくださいました。単に驚愕するのみではなく、私達の個々の行動へと結びつけていくことが大切なのだと気付かされました。
一部の学生の感想
?現在は推し活がホットで友だちの周りには会える地下アイドルにたくさんのお金をつぎ込んで、デートや旅行に行っていると言う話も聞きます。個人の楽しみとして否定はしませんが、今回のお話を聞いて何かどこかで間違えれば、犯罪になってしまうかもしれないので、相当な注意を払わないとならないと考えました。
?日本語学校で強制労働に従事させられるケースがあったり、日本人がワーキングホリデーで搾取されたりする事例など、今まで考えもしなかったことが起こっていると知ることができました。また、非常に多くの人が加担していて、容易に被害者になり得ると感じました。たとえ、直接的な加害でなくても現代奴隷が関わった可能性の多い物品を買うことによって、知らず知らずのうちに人権侵害に加担しているということがあるのは、気分の良いものではなく、可能な限り、避けていきたいと考えました。一方で国際的な分業が行われている現代では、自分の手元に届いた商品が、多くの人の手を経て作られており、その労働の実態は分かりません。自分の購買行動が様々な問題に繋がっている可能性があるととても印象に残りました。