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国際学部

Faculty of International Studies

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国際学部ニュース詳細

更新日:2024年08月01日

学生の活動

【国際学部】学生広報委員による前期学部講演会?講演者へのインタビューレポート

 2024年7月4日(木)に国際学部前期講演会を行いました。講演者は、吉原真里先生(ハワイ大学アメリカ研究学部教授?東京大学グローバル教育センター教授)です。230人もの参加者を集めた講演会のレポートとインタビューの様子をお届けします。


 学生広報委員の渡部愛唯さん(国際学部4年)と内藤美咲さん(国際学部1年)がインタビューを行い、講演会のレポートは二人に加えて遠山由貴さん(国際学部4年)が執筆しました。


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講演の概要

 7月4日、講演が行われたこの日はちょうどアメリカに関わりのある人にとっては馴染み深い、アメリカ合衆国独立記念日でした。この、アメリカの歴史のなかで重要な役割を果たしてきた団体に、Daughters of the American Revolutionという団体があるそうです。

 この「アメリカ独立革命の娘たち」は、建国の父ワシントンの大統領就任100周年(1889年)での愛国心の高まりのなかで創設された「アメリカの息子たち」に女性たちの参加が拒否されたため、女性独自の団体として1890年に創設されました。しかし、同時にながらく白人中心的な組織であり、人種の壁を超えるためには紆余曲折があり、時間がかりました。




 1993年、ハワイ州の州都ホノルルにあるイオラニ宮殿ロタンダで行われた集会での演説で、ハワイ?ネイティブの女性活動家で研究者でもあったハウナニ=ケイ?トラスクがアメリカ合衆国への怒りを露わにしました。この集会は、ハワイ王朝が滅亡して100周年のデモであり、何千人もの人が集まっていましたが、そこでトラスクは、「We're not American」と何度も果敢に声を上げたそうです。皆最初は衝撃を受けて静まり返っていましたが、徐々に団結して、声を合わせて同調していったそうです。

 ハワイは、多くの文化を持つ人々が平和に共存するというスローガンを立て、観光に力を入れているそうです。しかし、そのような中でもトラスクが訴えるように、植民地化、軍事化、その他多くの暗い歴史やその負債ともいうべき問題があるのが現状です。

 トラスクは、声を上げる中で、様々な冷遇、言論統制、さらには服装や会話スタイルにも批判を受けたそうです。



 吉原先生が4人の研究仲間と共に書かれた『私たちが声を上げるとき』という本では、アメリカ現代史において声を上げた10人の女性達を取り上げているそうです。

 吉原先生自身も中学生の頃、お菓子会社の社長にパッケージで模様のように使われている英語の文字について誤記を指摘する手紙を送り、菓子折りとともに返事を受け取った事があったそうで、声を上げることで手応えを得た経験を語られました。また、声を上げてもそれを頭ごなしに否定したり、無視したりしなかった周りの人達に感謝もしているそうです。



吉原先生と佐原先生の対談

 1時間ほどの講演ののち、吉原先生と、国際学部教員でアメリカ研究を専門とされる佐原彩子先生との座談に移りました。


○『私たちが声を上げるとき』の本を作ったきっかけ

→アメリカで「ブラック?ライヴズ?マター運動が広がるなか、日本でのその報道に問題があり、それに対しアメリカ研究者の有志で抗議と改善の要望を行いました。その後、これに関わる過程でいろいろな経験や思いを共有し連帯した女性研究者で本を出すことになりました。




○ハワイの暮らしについて

→日本人にとってはおおむね暮らしやすいですが、なぜ心地が良いか、それが良いことか、批判的に考えなければならないと感じています。先住民族への意識、日本がハワイでしてきたことから来る居心地の悪さを大切にしたいです。それを感じながら生活したり教育したり居心地の悪さを抱え続けることは研究者の使命だと感じています。




学生からの質問(抜粋)

○声を上げろという社会と、上げると目立ち叩かれるという矛盾の日本、今後はどうなると考えますか?また、どうしたら声を上げやすくなるのでしょうか。

→簡単なことではありませんが、とにかく声を上げられる人は上げることが大切です。わきまえると何も変わりません。声を上げる女性に向けられる攻撃的な視線に鈍感なのも力のうちですし、わきまえないで結構です。


○声を上げることは怖くないのですか?

→躊躇することもあります。でも、どう思われるか、身の危険、リスクがあるか等マイナス面を覚悟してでも問題を解決する方が大切だと考えるので声を上げます。声を上げたら聞いてくれる人がいたので、そういった体験を積み重ねて実感することができ、大きな自信になりました。


○ハワイの文化の保護と近代化、発展と文化の両立は難しいのでしょうか。折り合いや妥協点を教えて頂きたいです。

→ショートアンサー、折り合い地点はないです。観光業の人たちが歴史を認識していないわけではありません。伝統と商業の間に明確な境界線があるわけではありません。文化は常に変容しているという認識を持っていて欲しいです。文化は守ることも大切ですが、変化し続けるものが文化です。



インタビュー

1.どのような想いから、東京大学グローバル教育センター国際教育部門の教授に着任しましたか?

 最近の日本語での本が出て日本で仕事をする機会が増えた中で、日本でももっと私ができることがあるのではないかと思っていました。そんな中、東京大学の矢口 祐人先生から去年立ち上げたグローバル教育センターに来ないかとお声がけをいただき、ちょうど良い機会だからと着任しました。



2.ハワイ大と東大を行き来する中で気づいた事、その時に経験した事はなんですか?

 アメリカでも日本でも大学は大きな問題に直面していますが、問題の性質が違うように感じています。例えば東大では、女性比率が未だに低いなど、多様性に欠けている一方で、アメリカでは、民間企業や個人の資金に大学が依存することで学問や言論の自由が脅かされているという問題があります。


3.14冊もの本を執筆されていますが、最初の執筆のきっかけはなんだったのでしょうか?

 博士論文を加筆修正した『Embracing the East』が最初の著作です。アメリカの大学で終身雇用権を得るには出版という形で発表しなければならないので、やらないという選択肢はなかったです。


4.今までの活動で一番印象に残っている事とその理由はなんですか?

 「私たちが声を上げるとき」という本を書いたのは2年前ですが、それを書いたプロセスは非常に意義深かったですね。5人がフラットな状態で皆の原稿を読み合って作り上げていったので、女性研究者としても意義深かったです。



5.多文化共生を進めるためには中等教育での多文化理解が必要だと考えています。吉原先生は多文化共生を進めるために、日本人が心に持っておくべき考え方はどのようなものだと考えますか?

 歴史的思考がとても大切だと考えます。日本の歴史を知れば、昔から朝鮮半島や色々な地域とやり取りをしてきて、漢字に始まる文化もとてもハイブリッドなものだと理解できるはずです。日本は元から単一民族ではないです。日本の近現代史を知り、日本がしてきたこと、日本が今どの位置付けにあるかも理解することが重要だと考えます。日本がアジアに対して何をしたか知らない日本人が多く、そもそもの歴史観、世界観に乖離があったら共生はできません。日本は少子化によってとても厳しい状況にあることも冷静に認識すべきです。他の地域に対しての知識も必要であると考えます。共存するためには必ずしも仲良くなるという必要はなく、お互いの尊厳を認めあって共存することは可能です。文化や価値観が異なっていても共存はできます。


6.高校、大学のご学友と今でも連絡を取っていますか?

 とても密に取っています。今回の講演も西山先生が高校の同級生というのがきっかけなのです。友人とは進んだ道も住んでいる場所も生き方も違うけれど、人格が形成される時期を一緒に過ごした仲間とはずっと強い結びつきを保っています。



7.ハワイで好きな場所はどこですか?

 アラモアナ?ビーチパークです。普段生活していると交友関係が限定的になってしまうのですが、ここは色んな人がいてハワイとはこういう場所だと思い出させてくれます。観光客もいますが、ローカルの人、移民の大家族など、多様な人がいる部分が好きです。


8.共立生へのメッセージをお願いします

 どんな事に対しても声を上げるのは勇気がいる事だけれども、何かおかしいなと思ったらぜひ声を上げてほしいですね。また、女子大だからこそできる活動を存分に体験して欲しいと思っています。



講演をお聞きして

 イオラニ宮殿ロタンダでトラスクが、 We're not Americaと何度も叫ぶその必死な姿から、アメリカ合衆国への怒りがかなりあり、現状を変えようという強い意志がある事が感じられました。私は、誰かに批判されたりすると、すぐに挫けてしまう所があるので、トラスクの、言論統制されたり、批判を受ける中でも負けずに立ち向かう姿に尊敬の念を抱きました。声を上げると言っても様々な方法がありますが、どんな方法を取るにしても、声を上げる事によって、歴史が今までも変わっているので、非常に重要な事であると感じられました。 

 私も、トラスクのように大きな声を上る事は難しいとしても、何事に対しても自分ごととして向き合い、自分の思いを表現するようにしたいです。(内藤)


 今回の講演を聞いて、声を上げることについて考えました。普段は周りの目が気になり自分の考えは主張出来ませんが、「声を上げることができる人ができない人の代わりに声を上げなければならない」という吉原先生の言葉がとても心に響きました。ハワイアンの歴史や現在、声を上げた時どんな状況だったかを解説して下さり、文化と経済の両立はできるのかというところまでお話が広がりました。ハワイは収入のほとんどを観光業に頼っている現状がありますが、文化は保護するべきではないかという意見がありました。これに対し先生は「文化は変化し続ける」と新しい視点を示してくださいました。感心すると同時にひとつ学びになりました。この講演は実り多く、女子大学で行われたことに大きな意味を持っているのではないかと考えます。(渡部)


 今回の講演のテーマであった「声を上げる」ということは、今では当たり前かもしれません。しかし昔はその当たり前は存在しなく、女性が声を上げると構造差別や個人攻撃などがあったと聞き驚きました。そして「声を上げない」のではなくて「声を上げられない」のではないかと思いました。そのため吉原先生が「声を上げることができない人の代わりに声を上げなければいけない」とおっしゃっていて私はとてもかっこいい女性だなと感じました。そして「おかしいと思った人の声は消えない。その声がいつか誰かの力になる。」ともおっしゃっていました。それは女性が声を上げづらい時でも声を上げ続けたことにより今があるのかなと感じました。私は人の目が気になるので声を上げることが得意ではありません。だけど自分が声を上げることによりどんな小さいことでも今よりよくなるとしたら声を上げることができる女性になりたいです。(遠山)


国際学部学生広報委員 内藤美咲、渡部愛唯、遠山由貴


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