Faculty of International Studies
更新日:2022年06月17日
研究紹介
【国際学部】専任教員の論文が刊行されました(菅野敦志教授)
文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)「和解学の創成」(早稲田大学?浅野豊美代表)の計画研究の一つである「市民による歴史問題の和解をめぐる活動とその可能性についての研究」(東京大学?外村大代表)の研究成果として、本学専任教員の菅野敦志教授が執筆した台湾の二?二八事件をめぐる和解に関する二篇の論文が刊行されました。
菅野敦志「「現実的理想主義者」と二?二八事件をめぐる和解の試み―林宗義?蘇南洲の役割に着目して」外村大編『和解をめぐる市民運動の取り組み―その課題と意義』(和解学叢書第4巻)、明石書店、2022年、201-226頁。
The Rehabilitation Movement over the 2.28 Incident under KMT Rule (1987-1997): Reexamining the transition from “confrontation” to “reconciliation” Journal of Contemporary East Asia Studies
Routledge (Taylor & Francis) HP https://doi.org/10.1080/24761028.2022.2067611(外部リンク 無料で閲覧できます。)
二?二八事件とは、1947年2月27日に台北で起こったヤミ煙草没収事件に端を発し、翌日28日から全島的に広まった反政府大衆暴動に対して、援軍として派遣された国民政府軍が1万8千人から2万8千人もの台湾住民を殺害したとされる、台湾現代史上最大の衝突事件です。前者の論文では、台湾の二?二八事件をめぐる和解に大きな役割を果たした蘇南洲と林宗義という二人の台湾人クリスチャンの思想?戦略および方法論に焦点が当てられ、後者の英語論文では、国民党下における補償運動の進展について、1990年から1997年までの展開期における「抗争から和解へ」の具体的な転換点が検討されています。