更新日:2025年12月16日
展示?講演会
【文芸学部】芸術領域 美術史専修の「美術史演習Ⅱ_01」の授業で、特別講師として東京文化財研究所 保存科学研究センター 副センター長 早川典子氏をお迎えしました
2025年12月10日(水)、文芸学部 芸術領域 美術史専修の梅沢恵先生が担当する専門科目「美術史演習Ⅱ_01」において、東京文化財研究所 保存科学研究センター 副センター長である早川典子氏を講師にお迎えして特別講義が行われました。
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早川典子氏は、文化財を修復する高分子材料の分析、選定、開発のお仕事をされています。長年、高松塚古墳、キトラ古墳の壁画修復にも携わるなど、文化財を守り伝える第一線でご活躍です。
講義では、古墳壁画や掛軸を例に、文化財修理について科学的な観点からわかりやすく解説していただきました。今年度9月に開催した美術史研究室主催の奈良の研究旅行に参加した受講生も多くおり、実際に訪れた高松塚古墳とキトラ古墳の修復の様子を真剣に見入っていました。現在、従事されている東京国立博物館との共同研究では、東アジア絵画の主要な基底材である画絹のデータベース化が進み、織組成や絹の形状から制作された時代が判断できるようになりつつあるそうです。現代の一般的な画絹と、伝統的製法で復元された画絹にそれぞれ彩色、裏彩色を施したサンプルをご持参いただき、風合いや表現の違いを実際に見せてくださいました。最後に、文化財保存の理念についてお話をいただき、受講生は熱心に聞き入っていました。質問タイムでは、講義終了時刻まで受講生が積極的に発言し、講義終了後も、個別に質問する受講生がおり、意欲的な様子が伝わってきました。
普段なかなか知ることのできない文化財修復の現場の話をうかがうことができ、大変貴重な機会となりました。
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一般的な画絹と、伝統的製法で復元された画絹の比較サンプル

