更新日:2025年01月16日
授業紹介
【文芸学部】十二単の着装見学
日本文学演習ⅠB(中古文学)の授業では、毎年、講師の先生をお招きして、十二単の着装見学を行っています。今年度は、十二単(貴族女性の正装)と狩衣(貴族男性の略装。狩猟等)を見学しました。
ハクビ京都きもの学院院長の乃村宣子先生のご講義を拝聴しながら、衣紋者(着装者)役の先生2名がモデル学生に着装してゆくさまを見学していると、あっという間に時間が過ぎてゆきました。袿を五枚重ねたあと、打衣、表着、唐衣、裳と身につけてゆきますが、上に重ねる衣装ほど袖が短いということもよくわかり、襲の色目の美しさに目を奪われました。
学生からのコメントを一部紹介します。
?今回、十二単と狩衣を見学して、資料を見てイメージするだけでは伝わらない色彩の美しさや衣擦れの音などを実際に感じることができま
した。また、身分の高い方に仕える女房が敬意を表すために着ることが多く、高貴な人は楽な衣服で普段過ごしているということを初めて
しりました。色彩においては、教養の高さやその人の魅力を表現する一つであったため、和歌のように当時の人々にとって重要であったこ
とがわかりました。
?華やかな色合いで、衣一枚ずつにすごい重みがありました。枕草子で衣服の章段を調べたときに、清少納言が色彩に注視していたことを思
い出しました。
?紐を二本しか使わず、裳をつけたあとは、一本も紐を使っていないことに驚きました。脱ぐのも一瞬で面白かったです。
?十二単や狩衣などの平安装束は、ひな人形でしか見たことがなかったので、とても面白かったです。裳?引腰のところなど、よくわかりま
した。
?狩衣の袖口の紐はかなり幅があって、太く見えましたが、どのように袖口に通しているのか気になりました。「光る君へ」を見ていたた
め、内容を思い出しながら聞きました。
五つ衣(袿) 打衣
表着 十二単(唐衣裳装束)
狩衣 十二単と狩衣