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国際学部

Faculty of International Studies

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国際学部ニュース詳細

更新日:2020年01月06日

学生の活動

留学体験記「サンディエゴ留学」

サンディエゴ留学

T.T.さん(現3年生)

留学先:サンディエゴ州立大学付属集中英語コース(アメリカ)

留学期間:2018/9/21~2019/9/20


春休みにシェアハウスの仲間とメキシコ?ラパスへ。

私のバースデーサプライズをしてくれました。


注:時間のない方は3だけを読んでください。


1. なぜ留学をしようと思ったのか、なぜそこにしたのか

 高校生の頃から留学をしたいとの思いがあり、認定留学制度を利用し、アメリカのサンディエゴに10ヵ月ほど語学留学をしました。

 留学にあたり、多大な費用と時間をかけていくわけですから、完璧に英語を使いこなせるようになりたいと思い、日本から日本語を話す人と渡航したら現地で日本語を話してしまい本末転倒だと考え、認定留学を選びました。さらに滞在先も比較的日本語ネイティブスピーカーが少ない環境に身を置きたいとの考えから、現地の人が国外観光客慣れ(ノンネイティブ慣れ)しているであろう大都市は避けました。

 サンディエゴはメキシコにとても近く、車で30分ほど行くと国境に到着する距離にあります。年間を通して気候は温暖で雨も少なく、素敵なビーチと山を堪能できる、大都市ではないけれど超田舎でもない、ちょうどいい場所です。車で2時間ほどでロサンゼルスに行くことができます。国外観光客はあまり見かけない、といったようなところです。


2. 留学先で何をしたのか

 当初は6か月間の留学予定でしたが、私の英語は壊滅的で、’I don’t understand.’ とたくさん言われました。着いて2ヶ月経った頃には早くも留学延長を決めて、結果として前期と後期の2セメスター分滞在しました。

 前期はホストファミリーのもとに滞在し、アメリカの一般的な生活スタイルや文化を体験しました。彼らは私を家族の一員として扱ってくれ、kidsの保育園の送り迎えからthanks givingの国中に散らばった家族の全メンバーが集まるような大きなパーティーまで、すべてに参加させてもらいました。ちょうど近所に子供が多かったこともあり、ハロウィンの時に子供たちと一緒にトリックオアトリートをして回ったのがハイライトです。ホストマザーの誕生日と重なっていることもあり、私たちの家で開催されたハロウィンパーティーにはたくさんのご馳走とプレゼント、全力で仮装をしたたくさんのご近所さんが集まりました。彼女は何事においてもハイスタンダードを持っていて、とても影響を受けました。母として、女性として、一人の人間として、尊敬しています。このような素晴らしいホストファミリーに受け入れられたことを嬉しく思います。


 後期は自らFacebookで見つけたシェアハウスにはいりました。現地出身の生徒5人と私を含めた留学生5人の計10人で、一軒家で生活しました。交換や派遣留学でない私にとって責任は全て自分にあり、ある程度は自由であったので、何かアメリカでしか得られない経験をしたいとの思いから、シェアハウスに転居することを選びました。なによりも、同世代のハウスメイトと生活を共にし、会話の中で英語を身につけていきたいと考えたからです。このシェアハウスはエージェントや学校機関を通さず、個人でオーナーと契約していたし、初めての経験だったので、なかなか勇気がいりました。ホストマザーは、「専門用語や英語で何かわからないことあればいつでも相談していい、何か問題があればいつでも家に戻ってきていい」、とも言ってくれ、全面的に応援してくれました。結果としてお世話になることはありませんでしたが、このような大胆なことができたのも、彼女の影響が大きかったです。ハウスメイトは、全員同じサンディエゴ州立大学に通う学生でした。(男:女=1:9でした。)もし残すのであれば、男女比は実際にどうだったのかも書いてもらえると???。私以外が全員英語ネイティブもしくはそれと同レベルであったこともあり、みんなお兄ちゃんお姉ちゃん的存在でたくさん面倒をみてもらいました。夕飯を一緒に作りレシピを教わりながら雑談し、みんなでNetflixを見て私がわからない言葉があるたびに一時停止させて教えてもらう、毎週末のようにみんなで買い物に行ったり、海に行ったり。リビングにはホワイトボードを置いて、新しい単語を教わるたびに記入していき、それもまた会話を生むきっかけとなりました。キッチンが同じで特に一緒にいる時間が長かったメンバーがイギリス英語話者だったので、結果としてアメリカでイギリス留学をした感じでもあります。


3. そこで何を感じて、どう行動したか

 これが一番伝えたいことなのですが、留学は自由です。自由には責任が伴う、とはよく耳にするフレーズですが、その通りであることを、身をもって学びました。そう考えるに至った要因は2つあります。1つ目は、日本にいた頃はバイトに部活に学校の課題に、と全てに追われ、常に分刻みで生活し、緊張感とともに生きていましたが、留学先ではそれが一切ない。時間的余裕が生まれ、行動にも選択肢が生まれます。

 2つ目について。日本で、例えばゼミのクラスでお菓子パーティーがあった時、その中で一人だけ部屋の端でパソコン開いてイヤホンしてYoutube鑑賞していたとしたら、その子は空気読めない「ヤバいやつ」ですが、アメリカではちょっと違います。少し極端な例だったかもしれませんが、日本ほど人間関係において排他的ではないというか、個が尊重される文化というか、別に誰に迷惑をかけているわけでもないし、個人の自由だよ。と言った感じで、自分らしくいることが許される空気です。人が大勢いる中で、よく知らない人と頑張って会話を続けなくていい。自分に素直でいい。つまるところ無理して英語で会話したり、人と接しなくていい。


 留学はどんどん自分の楽な方へと、逃げていると自覚できずに逃げられる環境だと、私は思います。時間的余裕も生まれ、人との付き合い方も自由になり、自分のやりたいようにやれる環境は、目的を見失いやすく非常に危険でした。


 これらのことから、私は常に’外にいること’を意識して、人と関わり、ずっと喋っていることをこころがけていました。確かに時間的余裕などはありましたが、なんとしてでも完璧に喋れるようになってやる、という思いから、いつでも気は引き締めて自分を律していました。

 学校では、授業の合間の休み時間でもクラスメイトと英語で雑談しました。ネイティブかノンネイティブかは関係ありません。積極的に話しかけることと、会話を途切れさせないようにすることを意識しました。家に帰れば自室ではなくリビングで宿題をしました。シェアハウスでは、それにつられて勉強道具を持ってきたハウスメイトと一緒に英語と日本語で宿題の教えあいっこをしました(幸運なことに、ハウスメイトのうちの一人に日本語を学んでいる人がいました)。とにかく1日を通して可能な限り喋って、生活の中から英語を身につけられるような環境を作りました。アメリカ人とイギリス人という英語ネイティブ同士でも話が通じないこともあれば、文法や発音が完璧でない私の英語でも彼らと意思疎通できたことの経験から、英語という言語は貴重なツールですが、ただ持っているだけではだめで、話したいという心構えが第一歩だと学びました。

 また、ホームステイの頃には3歳と1歳のキッズたちと一緒に遊び、会話練習の機会を作っていました。舌足らずなネイティブイングリッシュは理解するのに苦労しましたが、同時に彼らもノンネイティブの英語を聞き取るのには苦労したことでしょう。


4. 何がどう変わったのか、留学先で得たものは何か

 私の「外にいる」心がけは、思いがけずたくさんの利益をもたらすこととなりました。まず、なんとしてでも会話を繋げたいのでコミュニケーション力が鍛えられます。相槌を打ったり、質問をして話を広げるのはもちろん、次回会った時にはその内容を使って再び話しかけられるように、好きな食べ物や家族の話、音楽の話、一人ひとりのエピソードを覚えました。オススメの映画や音楽を尋ねるのは結構有効で、次回の話のタネにもなるし、自分にとっての新しい英語の教材が増えます。真顔で “I don’t understand” とたくさん言われたと先述しましたが、これは結構心に刺さるものがありました。日本では気を使ったり、空気を読みそうなところですが、わからないことはわからない。正直です。文化の違いを感じました。しかし、自分に正直であったほうがコミュニケーションはうまくいくもので、以降自分の英語力不足を恥ずかしがって話さないのではなく、わからないなりに質問するようになりました。意識も外に向けることを心がけて過ごし、新しく会った人と親しくなる力、新しい環境(知らない人がたくさんいる環境)へ行っても動じず自分らしく振る舞える力を得ました。


それから、国際交流イベントに参加した時に仲良くなった友達がキリスト教徒で、クリスチャン?コミュニティー(日本でいうサークル活動に近い気がします。クリスチャンという共通項で集まった生徒たちがみんなで海に遊びに行ったりハウスパーティーをしたりします)にも、何度か足を運びました。今まで自分にはなかった考え方をもった彼らと時間を過ごす中で、宗教がある日常生活や、キリスト教とはなんなのか理解が深まりましたし、宗教というものに対してより適切な感覚を身につけることができました。日本にいるとあまり馴染みがないため、身構えてしまいがちな”宗教”にも抵抗がなくなりました。


 さらに、アメリカ社会の食の多様性には驚きました。シェアハウスでは、ヴィーガンの子がいて、好き嫌いでもなくアレルギーでもなく、自分の信条によって摂取する食べ物に制限をかけるという行為に驚きました。しかし植物由来のベーコンやチキンなどは一般的に出回っていて、食べてみても動物由来のものとの違いがわからないくらいの味で、栄養に偏りや不足が出ないよう加工もされていて技術の進歩を感じました。大学のキャンパス内にもヴィーガンハンバーガーショップがあって、私たちのお気に入りでした。それだけ体を作る「食」にこだわるというのは自分を大切にしている、きちんと考えられているとも言えると思うし、いかに普段自分が食べているものに対してそこまで深く考えずに過ごしてきたのかにも気付かされました。このように「食」一つをとっても様々な考えを持った人がいて、その共存を可能にする技術社会を目の当たりにしました。


 宗教や食事はもちろん、何事においてもこんなにも多様性に寛容な社会での生活は今まで経験したことのないもので、多文化の中で生きる国際感覚を得ました。留学を通して語学力を得たというよりは、それを使ってコミュニケーション力や多様性を理解し、その中で生き抜く力、環境適応能力を身につけることができました。

 

5.現在の取り組みと今後の展望

 帰国してからは部活動も再開し、不足分の専門分野の勉強にも力を入れ、とても忙しい毎日を過ごしています。自分の英語学習スタイルが、日々の生活や人とのコミュニケーションを通して身に着けていくスタイルであったので、帰国後も自分のスタイルで英語力を伸ばし続けたいと思い、またシェアハウスに入居しました。それまでは、大学が一人暮らしをせざるを得ない通学距離にあることは逆境だと思っていましたが、今は有意義に活用しています。今住んでいるところはアメリカでのシェアハウスよりもさらに多国籍で、日本にいる理由や職業も様々で、多様性が増し毎日が刺激的な環境です。このように逆境でも工夫して自分なりに楽しんで有意義な環境にする力は、今後社会に出た時にも役立つのではないかと思っています。


 留学をきっかけとしたくさんの人と出会い、新しい経験をしましたが、今後も常に新しいことや今まで自分に無かったものを取り入れて、挑戦し続けていきたいです。世界は常にトレンド、ニーズが変化していて、常にアップデートし続けています。その世界の速さと大きさに引けを取らない人材になるのが目標です。常に最先端をとらえ、それを日本に、世界に還元し、大きな影響を与えてやりがいと楽しさを感じられたら本望です。世界とつながりを持ち、常にやり