更新日:2023年07月22日
研究紹介
[家政学部被服学科] 仙台市博物館の委託研究で江戸時代に作られた伊達家伝来の陣羽織を修復しています。
1959年(昭和36年)、宮城県仙台市の仙台城三の丸跡に開館した仙台市博物館は、仙台伊達家からの寄贈品をはじめ、江戸時代の仙台藩に関わる歴史?文化?美術工芸資料を中心に収蔵する博物館です。
家政学部被服学科の被服平面造形研究室(田中 淑江 教授)では、仙台市博物館の委託により、江戸時代に制作された伊達家寄贈文化財 紫羅背板地五色水玉模様陣羽織(むらさきらせいたじごしきみずたまもようじんばおり)」を修復する研究を進めています。この陣羽織は仙台市博物館の代表的な収蔵品の一つで、日本の染織史でもデザインが斬新なことから多くの人を魅了する染織文化財とされています。長期間に渡り保存されてきましたが、経年劣化により布地には裂けや穴が生じており、この状態で保存?展示を続けることが難しくなっています。貴重な染織文化財、和の服飾文化を後世に継承していくために、長期的な保存?展示ができるように経年劣化した陣羽織を修復することになりました。
現在は、染織文化研究室の長崎 巌 教授、織や染の専門家と協議を重ね、修復に適合した材料を検討し、必要な材料を収集しています。紫羅背板地五色水玉模様陣羽織の修復過程については、仙台市博物館と連携して、定期的にお知らせしたいと思います。
修復前(前身頃) | 修復前(後身頃) |
修復前調査 | 修復の方針を検討 |
損傷箇所の例 | 修復に使用する糸?裂の色合わせ |
修復に使用する糸の検討 | 糸の質感や太さの確認 |